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【ギターの歴史】ルネッサンス~現代2023年04月8日

ギターと言う楽器の歴史は意外と長く、現在のギターの前身と思われるものは14・15世紀頃まで遡ります。
そこで14・15世紀から現在に至るまでの4コースギターからエレキギターの誕生までをお話しします。
先ず楽器の変遷を年表形式で表すと次の様になります。

 

1500  4コースルネッサンスギター(複弦4コース・最高音のみ単弦)
・・・・ビウエラがスペインで全盛(複弦6コース)
ヴァイオリン北イタリアで誕生

 
1600  16世紀末頃より鍵盤楽器やバイオリン族の楽器の発展によりギター族は衰退期に入る

・・・・5コースバ ロックギターがポピュラーに

 

1700  アマティ、ストラディヴァリなどヴァイオリン巨匠の全盛期

 

1800  6単弦ギター確立(19世紀ギター)

欧州の製作者らアメリカへ → 新大陸でフォークギター誕生(C.F.マーチン)

 

1900  アメリカで電気ギター出現(ギブソン・ジャズギター)ロック音楽の台頭でエレキギター出現(ギブソン、フェンダー)

 

ルネッサンス時代の4コースギターはウクレレの調弦A、E、C、GとウクレレのLow Gの調弦と同じで、High Gは4コースが1オクターブ上がっています。
弦長は50数センチ程あり(現物が残されていないので推定)、1コースのみ単弦で後は複弦です。基本的にはヴィウェラやリュートなどと同じ宮廷など一定の層の人たちのための楽器でしたが、一般民衆の歌や踊りの伴奏にも使われていました。
IMG_20201106_145408-225x300(ルネッサンスギター)

 

また、ビウエラは6コース複弦の楽器でルネッサンス時代にスペインの上流階級の間で流行りました。他の国ではリュートの方が盛んになったのですが、スペイン人はリュートをイスラム文化の象徴として排除したと言う説があります。これは8世紀初頭から15世紀末までイスラム教徒がイベリア半島を支配し、その間キリスト教徒が国土を奪い返そうとした時期が約8世紀にも及んだんですね。それをレコンキスタ(国土回復運動)と言うのですが、最後のグラナダを奪回できたのが1492年でした。ご存知のようにリュートの前身は中近東の民族楽器・ウードだと言われています。その異教徒の楽器をスペイン人は嫌ったんだと思います。
ビウエラの調弦は現代のギターとほぼ同じですが、3弦だけは半音低く調弦されています。ギターの3弦のGの音をFis(F#)に下げればオリジナルのビウエラの曲をそのまま演奏できます。
ビウエラ(ビウエラ)

 

バロック時代になり5コースギター(複弦・1コースは単弦)、弦長は65~68cmとなります。このバロックギターの特徴としてはその装飾です。サウンドホールのはめ込み細工や周りの花飾りに懲りました。下駒も口ひげと呼ばれる華麗なものも多く作られました。しかし、指板は表板と同じ高さであったり、フレットはガットで結ぶタイプのものでした。そしてヴァイオリンの隆盛と反比例して衰退して行き、代わりに6コース単弦ギターが出現しました。それが19世紀ギターと呼ばれるもので、ロマン派音楽の時代にあたるためロマンティックギターと呼ばれることもあります。
3バロックギター(バロックギター)

 

つまり4複弦 → 5複弦 → 6単弦となったのが1780年~1810年ごろで、約200年毎に1コースずつ増えた事になります。そして今7弦ギターと言うのもありますね。現在ではブラジルのギタリストに使われることが多い楽器です。
ラコートギター(6単弦ギター(ラコート))

 

また、6単弦ギターになって装飾より実用性が重んじられるようになり、フレットも金属製になります。指板もサウンドホール近くまで伸びて音域が広がっています。このライセンスを持っているのはヨハン・シュタウファーだといわれています。彼は後にアメリカでスチール弦のギターを確立したマーチンの師匠として有名です。この時期にはヨーロッパの製作家が新天地・アメリカへ移住していきます。その中の一人にC.F.マーチン(1796年-1867年)が居たわけです。このスチール弦ギターはウエスタンミュージックに使われ、日本では1960年代に流行したフォークソングに使われた事からフォークギターと呼ばれるようになりました。

 

一方スペインの製作家の一人、アントニオ・デ・トーレス(1817-1892)が19世紀ギターからモダンギターの形を確立します。このトーレスをフランシスコ・ターレガがこよなく愛し、各国の演奏会で使用したことから少しずつモダンギターが普及していきました。
トーレス(アントニオ・デ・トーレス)

 

20世紀初頭に台頭したジャズミュージックでバンドの中で演奏するギターの音を大きくするために電気ギターが生まれ(共鳴箱のあるジャズギター)、1950年~1960年代になるとロックンロールからロックミュージックが誕生して、エレキギター(共鳴箱を持たないソリッドボディー)がそのサウンドを担うことになったと言うわけです。

 

以上、数世紀に亘るギターの歴史を一気にお話しました。

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